私と並んで『がんばろう釜石』のカードを手にしている女性は
世界的に有名な桂由美さんのところで活躍する釜石市出身の藤原綾子さんです。
『大漁旗を注文したいのですが、私の父が震災の年に旗を注文したのも御社でしょうか?』
藤原さんとのご縁はこの一通のメールが始まりでした。
震災後、被災された方から依頼され、私たちが手掛けた第一号の旗があります。
東日本大震災の影響で花巻の温泉に避難されていたご夫婦が注文した旗です。
作成からご夫婦のお手元にお届けするまで、
その様子はフジテレビのスタッフが取材しテレビで放送されました。
「うちの娘は海外での仕事が多いけど、『綾子のお父さんは津波に勝ったんだね』と言われたんだって・・・
地震直後に船を沖に出し、外海に出て二日後に家に戻ると、家は流されていた。
でも船があるから漁にでたいが、旗が家と一緒に流されて無くなってしまったんだ・・・
旗が無くちゃ、漁に出られないからさ~旗を作って欲しい。」
船主が作る3つの旗、船名、屋号、日の丸の旗を作っ て欲しい。
お父様のお言葉は今でも私の胸中に鮮明に残っています。
メールを下さった藤原さんはその時のご夫婦の娘さんでした。
『昨年の釜石の秋、曳船まつりの時、父と弟の船の旗が寂しかった』
『内緒で大漁旗をプレゼントしようと思う』
『何人かに声を掛けて5~6枚位になると思うので宜しくお願いしたい。』
届くメールには、父、弟 さん想いな娘さんの気持ちで溢れておりました。
はじめはそんなご依頼だったのです。
しかし、彼女が一度声を掛け出すと、東京・大阪・ニュージーランド・イタリア・・・・
いろ~んな所から、プレゼントをしたいという人達が集まり、結果15枚の大漁旗の注文となったのです。
そんな彼女が先週、我が社を訪問してくださり当時の話しをしながら涙し、社員の作る旗に感動してくださいました。
話せば話すほど共通の知り合いが居て、初めて会ったのに初めてではないような不思議な気持ちでした。
彼女は釜石復興のために、様々な事に取り組んでいます。
KAMAISHI SUPPORT PROJECT『がんばろう釜 石』もその一つ
https://www.facebook.com/Gambaro.Kamaishi
曳船まつりに綾子さんの多くの友人がプレゼントした旗をなびかせた第十一福徳丸を見に行きたいと思った三代目です。